10:00~18:00 水曜定休日
事例紹介
2014年04月09日 (水)
DIY/セルフファミリー団地
それは、スイスからのメールが始まりでした。
んん、スイス?!
というのも、ご依頼主のOさまはスイスのトゥーン在住。現地ホテルのレストランで働く日本人シェフです。奥さまとお子さまは日本に残し、単身スイスで暮らしていらっしゃいるのですが、このたび、日本で団地を購入されたそうで。
そのリフォームを相談したいとのメールでした。
BEFOREの様子。壁紙も襖紙も畳もぼろぼろだった
既に、つくりたい部屋のイメージや使いたい素材、設備など、おおかたの方向性は決まっていて、また、年初めに3週間だけ帰国するので、その間は、自分たちで出来ることは自分たちでやってみたい、とのお話でした。
普段から「食材を選び、それらを組合せ、調理する」ことをお仕事としている為か、パーツ・素材などを選び、組合せ、空間を編集していくという作業も既にイメージがおありでした。あとは細かな作業を詰めていければ・・・と、とてもセルフプロデュース力の高い方だなと感心したのを覚えています。
スイスと日本。遠く離れた場所同士でメール中心に打合せは進んでいくのでした。
さて、だいたいの予算ボリュームから、実際に実施する内容を決め、プランの詳細を詰めていくことに。そして、細かな商品の選定、発注先の選定、コストの調整なども、続けて詰めていきました。
結果、約50点もある建築資材(設備、照明、建材など)をインターネットを中心に購入することに。お客様に、約50点ものネット購入品を支給して頂くのは、さすがに初めての試みでしたが、直接購入することでコストカットを実現。商品選び、納期と荷受けなども細かく打合せして、滞りなく現場との調整を行いました。
押入の解体もしていただいたO様のお父様
そして、帰国後は「天井の断熱材の撤去、天井の下地補修、天井の断熱塗装、室内清掃」など、てんこもりのセルフ工事を奥さまとともに。「時間が足りない〜」なんておっしゃられてましたが、なんだか楽しそうでした。
また、スイスに戻られた後は、今度はお父様にバトンを引き継ぎ、続けて「壁のしっくい塗り、木部の塗装、押入れの解体」などを。お父様もつくるのは嫌いではない、と、ご家族総出のDIY、いやDIT (DO IT TOGETHER)となりました。
職人工程前|DIY期間中に天井と枠を塗装。あとは壁のしっくい塗りを。最上階というのもあり、断熱塗料(GAINA)を使って天井を仕上げた。
コテでパターン仕上げにした壁のしっくい。上手ですねえ。(DIY作業により)
さて、さて、さらにバトンは受け継いで、職人工程へと。
新しくした給排水管
大工の表さんが、丁寧に床の下地張り作業をしているところ
工事は、
・給排水管を新たに引き直して、洗濯機スペースと洗面スペースを
・新たに床組みをして、大工さんにパインのフローリングを
・仕上げ工事は、クロス屋さんに壁紙とクッションフロアを
・実はワタクシも、塗装と珪藻土、スイッチカバー交換のお手伝いを
スイスにいるOさまと日本にいる奥さまと連携を取りながら、たくさんのヒトの手を経て、完成へと。
いろいろと大変な部分もありましたが、その分、いろいろなヒトの想いが詰まったO邸の改装となりました。
トイレに貼ったモロッコタイル調のクッションフロア
襖に貼った可愛らしいカラフルな壁紙
押入を撤去して、部屋を広げた洋室。
キッチン室と和室をつなげて、ひとつのリビングスペースに。
(左)玄関先からの眺め (右)新たにつくった洗面スペース
納期のかかる福州杉の建具は、引っ越し後に吊り込みました(実はこれもネットでのオーダー品)
(text=村田)