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事例紹介
2013年06月19日 (水)
オフィス・店舗部分的な
本に囲まれた暮らし。そんな暮らしに憧れるひとも意外に多いのではないでしょうか。今回は、利用されていなかった更衣室をライブラリー空間に改装した事例をご紹介します。
自宅の一階で動物病院を営むAさん。二階にオフィスはあるものの、仕事関係の来客があると、住居スペースをまたがないとオフィスに招き入れることができず、日頃から、何となく気持ちの悪さを感じてらっしゃいました。
また、オフィスも少し手狭で。書類や資料があふれ、他の部屋にも点在している状況で。どうにかして住居とは動線を分け、オフィス兼書斎スペースをつくりたいと以前から考えていたそう。
ただ・・・住居スペースと動線を分けた部屋(更衣室)は、実はあったのです。が、いつの頃からか物置きとなってしまっていた、とAさん。そこで今回は、この部屋をオフィス兼書斎に改装しようと決意されたのでした。
工事前の元更衣室|ここには住居スペースを通らずともアクセスできるような動線になっていました。
Aさんのご要望は、以下の通り。
・壁いちめんの書棚をつくりたい。
・オフィス利用だけでなく、応接空間、書斎空間としても利用したい。
・こもり感のある部屋というよりは、明るく雰囲気のある部屋にしたい。
本を読んだり、資料を見たり、時には映画を見たり、とそんな居心地のいい小さなライブラリー空間をつくりたいなあ、と。Aさんの想いをカタチにしていくことになりました。
工事の方はというと。ちぐはぐな高さだった天井材を取っ払い、小分けにしていた間仕切り壁も撤去。隠れていた鉄骨の梁もデッキ材も、あらわしとしました。
そのまま天井も壁も真っ白く塗装して。2つの部屋が1つにつながり、より高く、より広く感じられる空間へと変わりました。
解体中|ボードを剥がして、空間の大きさがあらわになってきました。
下地完了時|天井材も取り払われて、広さを感じられる空間へと。
仕上げ工事中|壁を塗装する塗装職人さん。
壁いちめんには、出来るだけ本が収納できるよう、天井いっぱいまでの本棚を設置しました。魅せるエリア、整理するエリア、隠すエリアの3つに分けて計画されています。
造作本棚を設置中。仕上げ材は、ナラの突き板(塗装仕上げ)。
もともとの部屋は 少し暗い印象でしたが、遮るモノがなくなったことで、安定した光の入る空間となりました。が、大量に埋め尽くされる本で圧迫感を感じないよう、間接照明を設置しています。
本棚の背後にも間接照明を仕込み、本の後ろがほのかに光る仕掛けもつくりました。壁紙がほのかに照らされ、本が浮きだって見えるように。
梁部分を利用した間接照明。天井からの柔らかな反射光を広がる。
本棚裏に仕込んだスリムラインランプ
本棚裏のライティングはこんな感じ
さて、工事終了後は・・・ファックスや電話などの通信機能を切断しておくわけにはいかない為、部屋の完成とともにすぐに荷物をお引越し。
当日は、別の部屋に仮置きしていた本を、スタッフさんたちとリレー形式で移動させていきました。納まるべき場所に、納まっていく本たち。なんだかそれを見ているだけで、空間に命が吹き込まれていくよう・・・。
今はまだ本を納めただけで、これから徐々に整理をしていくというAさん。チェアやテーブルもこれから買いそろえていくようで。時間とともにどのように装いを変えていくのか、今から楽しみですね。