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2016年06月13日 (月)
ライフスタイル
山梨県北杜市。
八ヶ岳や甲斐駒ケ岳(ともに日本百名山)といった山々に囲まれたこの場所は、市のおよそ3分の1が冷涼な山岳高原地というエリア。
名水にも恵まれ、おいしいお酒やお蕎麦も食べられるこの街は、夏は特に 多くの登山者や観光客で賑わうそうです。
そんな山岳地帯のふもとに、格安で 別宅を手に入れたIさん。東京のご自宅から山梨まで、高速道路を使えば2時間半ほどで行けると、週末の別荘利用・小屋暮らしを妄想して、ご相談にきていただきました。
平屋建ての住宅。外壁は鋼板張りだが、平成4年築と建物自体はそこまで古くない。
ガス管は引き込まれておらず。湯沸かしは石油ボイラー。
北側はちょっとした崖地になっていて、その下に小川があります。川からポンプで水を引きこみ、ここに溜めて生活用水に使っていたみたいね。
室内の様子|続き間だった和室2部屋はすでに天井、間仕切りが取り壊されていました。広くて、明るくて、なかなかいい空間・・・。
断熱材は入っているけど、鋼板だけの外壁ではさすがに寒そうです。北側にも窓をつくりたいなあと、妄想中。
(左)1坪サイズの浴室空間と小さめの浴槽。 (右)スペースにゆとりのあるトイレは、汲み取り式。
Iさんがイメージしていたのは、2004年に中村 好文氏によって設計された「LEMM HUT」—電線、電話線、上下水道、ガスが繋がれていないエネルギー自給自足を目指した実験住宅です。
なので、この場所でどういう暮らしをしたいかも、はっきりしていました。
1、お風呂はいらない→ここで毎日過ごすのではないので、近くの銭湯などが利用できれば大丈夫、と。
2、水道もいらない→近くに川があるので、水を汲んでくれば大丈夫、と。
3、給湯設備もいらない→銭湯を利用するのでお風呂用のお湯はいりません、と。
電気があれば、ポットやケトルでお湯は沸かせるので、と。
4、トイレはコンポストトイレでOK→なので、給水も排水もいりません、と。
5、排水設備もいらない→キッチンシンクの排水はポリタンクに溜めます、と。
6、ガスコンロもいらない→七輪など炭を使って調理します、と。
7、暖房設備もいらない→暖炉があれば、と。
キャンプに近い感覚かもしれませんね。エネルギーに頼らない小屋暮らし。いいですねー、聞いているだけでワクワクします。もちろん、不自由さはたくさんあるとは思うのですが・・・でも、憧れますね。
さて、そんなご要望とともにラフプランをつくってみました。
ある程度はDIYで改修を検討したけれど、距離的にも難しいのでプロの手を借り進行に拍車を掛けたい、そして、子どもたちと泊まれる物件にしたいというのが、今回のIさんの想い。
利用しない期間の活用も考慮して、「ゲストハウス」兼「別荘」のラフプランをつくってみました。
だけれど・・・結局、ご用意していた予算からは大きく離れていきそうで
そもそも大きな金額を掛けて改修することは本意でなく、、、ただ、DIYで直していくレベルを大きく超えているという考えから、今回のプロジェクトはいったん休止して「見直し」ということになりました。
だけど、妄想するだけでワクワクできるステキな小屋暮らし。いつかはぜひ実現してほしいなあと、勝手ながら願うのでありました。