2019.4.17

手製本屋さんと一緒に家づくり

Case Story

“手しごと“としての製本をお仕事とする「空想製本屋」主宰の本間あずささん。限られた予算のなかできる部分はDIYで、任せていただける部分は弊社にて、家づくりのお手伝いをさせていただきました。

そんな本間さんは、ご主人の賢一さんと5歳になるお子さまとの3人暮らし。これまでは、趣のある古い一軒家(賃貸)にお住まいでしたが、物件オーナーさんの意向で建て替えられることとなり、新しいお家を探すことに。自宅兼アトリエとして利用していたこともあり、この機会にオフィスは独立させて、新居は住居だけの空間にしようということになりました。

そんななか見つけられたのが、三鷹市にある築19年のマンション。購入を決めたタイミングでお声をかけていただきました。物件は低層の集合住宅の2階、58m2  (3LDK) のお部屋です。当初、メールに書いていただいたご要望は ①玄関土間を広くして、②床を貼り増しし、③壁を塗装にして、室内窓を付けたい ということ。現地を一緒に確認して、好きではない質感や空間の使い方などをお聞きしながら、情報を共有していきました。

また、売主さんが床にタイルカーペットを敷き詰めて使っていたこともあり、フローリングの状態はとても良さそうです。色味も悪くないなと、床の貼り増しは辞めて、他の部分に予算を割り当てることになりました。

限られた予算の中で、残す部分と手を入れる部分のバランスを取りながら、リフォームの計画を立てていき、DIYでやる範囲も決めていきました。

最終的に、内装の仕上げについては「壁紙を貼る箇所」と「塗装や珪藻土で仕上げる箇所(DIY)」に分け、ご自身でできる部分はDIYで仕上げていただくことに。塗装(DIY)は、1日ワークショップスタイルを取り、職人さんの実演を交えながら、塗装のやり方を覚えていただきました。

でも、さすが本間さん。日頃から”手“を動かして、作業することには慣れていらっしゃいます。要領よく覚えていただき、この日は時間の許すところまでやって・・・。ただ、とは言いつつも『建築は、作業をやる範囲が多くて大変ですね・・・(笑)』と本間さん。普段、扱われる「本」とは規模が違うので、作業をやること自体は苦にならなくても、作業量の多さは想像以上だったようです。時間をつくっていただくのに苦労しながらも、最低限やらないといけないところまでは仕上げていただき・・・残った部分は、お引越し後に仕上げることになりました。

さて、お引越し後もしばらくはお忙しく、なかなか家のことはできなかったそうです。が、お子さまのお友だちを呼んでホームパーティをすることになったそうで・・・そのタイミングで、壁は一気に仕上げたのだそう。

お部屋もほぼほぼ整った頃、お邪魔させていただきました。

生活の中心は、やはりリビングダイニングのようですね。キッチンから見渡せる範囲も広がったので、お子さまの行方にも目が届きますしね。当日は、レコードで心地のいいJAZZを流していただき、とてものんびりした時間を過ごさせてもらいました。

あと、お仕事柄というのもあるのでしょうが、棚には素敵な雰囲気の本たちがたくさん並んでいて・・・なんとなく本の匂いがしてきそうな、表情があると言いますか、個性のある本ばかりでした。とても素敵なディスプレイ。

和室とリビングは、3枚引込みの襖で仕切られているのですが、普段はほぼ開けっ放しだそうで、閉めることはないみたいです。広く使えますしね。最近は和室のないおウチも多いですが「ちょっとした座れる空間がある」というのもいいですよね。

また、玄関側にはこもれるスペースをつくり家族の寝室として使っています。読書したり、考え事したいときに寝っ転がるのにもよさそうなスペースですね。小上がりになっているので、よいしょと腰をかけるのにも便利です。ついつい座ってしまいます。

また「寒さについてどうですか」とお聞きしてみたところ『前の家とはもう、全然違いますね。』と本間さん。以前は、断熱材が入っているどうかも分からないくらいの、かなり古い木造住宅でしたので、冬はものすごく底冷えしたそう。ですが、RC造のマンションに引っ越してきて、寒さ加減を比べてみるとやはりそこは雲泥の差があるみたいです。体調管理もしやすくなって、よかったですね。

さて、残すところキッチンの腰壁タイルだけとなった本間さん家のDIY。タイルを貼るとまた雰囲気も変わりそうですね。どんなタイルが貼られるのかも気になるところです。

素敵な時間を共有させていただき・・・ありがとうございました。

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